監察医 朝顔 6話 ネタバレありのあらすじと感想です。
あらすじ
すっかり子供仕様になった朝顔(上野樹里)の部屋。
目を覚ました桑原(風間俊介)は、まだ眠っている朝顔と娘のつぐみ(加藤柚凪)の顔を愛おしそうに見つめている。
桑原が朝ごはんとお弁当の用意をしていると、平(時任三郎)も起きてくる。
仲睦まじく暮らしている4人。
法医学教室には新しいアルバイト・医学生の熊田(田川隼嗣)が加わっていた。
光子(志田未来)は法医学者になり、検査技師の高橋(中尾明慶)に「光子先生」と呼ばれている。
「5年ですっかり立場変わっちゃったな~」とぼやく高橋の隣で、法医学者の藤堂(板尾創路)は夫婦間格差を嘆いていた。
妻で法歯学者の絵美(平岩紙)は、著書がベストセラーとなり学会で海外を飛び回っているらしい。
お昼になり、朝顔がお弁当箱を開けると、おかずとおかず。
ということは桑原が持って行ったのは…ごはんごはん。
桑原が絶望していると、男女の変死体発見の一報が。
平が現場に行くことに。
朝顔たちがお昼を終えた頃、絵美がヘルシンキから帰国。
同時に野毛山署から電話があり、誰か現場に来られないかと頼まれる。
朝顔が行くことに。
現場は住宅街にある一軒家。
亡くなっていたのはこの家に住む夫婦らしい。
居間のドアで首を吊っていた夫の雅樹(岡部光祐)と、寝室のベッドに横たわっていた妻の黒岩多江(片岡礼子)。
第一発見者は娘の友里(小林聖蘭)だという。
新しい検視官が遅れているので、先に見てほしいと山倉(戸次重幸)に言われる朝顔。
朝顔が多江の遺体に触れようとすると「触るな!」という声が。
新しい検視官の丸屋(杉本哲太)だ。
「検視官よりも先に法医が検案するなど言語道断。」
怒られる山倉。
朝顔も、今後は勝手なことをしないよう注意されてしまう。
早速検視を始める丸屋。
多江の死亡推定時刻は昨日の午後1時から2時の間と推察。
頭部に外傷なし。争った形跡もなし。薬物を飲んだ形跡も見当たらない。
死因は窒息死、あるいは内因性突然死と推察される。
「あのう、爪にチアノーゼが見られるんですけど…」と朝顔が口を挟むと、
「法医の先生の所見は解剖室で行ってください。」と言われてしまう。
続いて夫の雅樹の検視。
死亡推定時刻は昨日の夕方4時から5時の間。
娘の友里は、夕方に塾が終わってそのまま友達の家に泊まりに行ったらしい。
多江が午後1時頃亡くなり、その約3時間後に雅樹が自殺したということか…と山倉。
「誰が自殺って言いました?」と丸屋。
通常の首つりではつくはずのない蒼白帯が、雅樹の首についているらしい。おそらく細い紐のようなもので後方から絞められ、その後、自殺したように偽装された可能性がある。
解剖の結果、夫・雅樹の死因は丸屋の検視通り、絞殺。
続いて妻・多江の解剖へ。
頭部、顔面に目立った外傷はないが、何か顔が気になる様子の朝顔。
身体を調べると、肋骨が折れていた。しかし内臓を傷つけるほどの折れ方ではない。
内臓全体がうっ血していることから、窒息死の可能性がある。
待合室にいる友里。
そこへ姉の美咲(恒松祐里)が駆け付ける。泣き出す友里。美咲は厳しい表情。
遺体の情報を記したホワイトボードの前に集まっている法医学教室のみんな。
「警察は強盗の線で動いているらしい」と藤堂。
そこで自分の推理を披露する光子。
多江は肋骨が折れるほどの力で殴られ、気絶。ベッドに倒れ込んだところ何かを顔に押し付けられて窒息死させられたのでは。
しかし「殴られた場合の折れ方ではないと思う」と朝顔。
朝顔の帰りが遅くなる時は、もんじゃ焼き屋の三郎(きづき)がつぐみのお迎えをしてくれているらしい。
迎えに行く朝顔。
もんじゃ焼き屋の一画が託児所と化し、三郎の子供たちと一緒に過ごしている模様。
家に戻り、平の捜索地図を見つける朝顔。
震災で行方不明になっている里子(石田ひかり)の捜索はずっと続けているらしい。
つぐみとお風呂に入っている桑原。
髪は平に乾かしてもらっている。すっかりおじいちゃん子のつぐみ。
つぐみが寝たあと、事件の話をする平と朝顔。
亡くなった夫婦の娘たちのことを心配している。
姉の美咲は看護学生で寮にいるが、妹の友里はしばらくそこに泊まるという。
桑原によると、亡くなった雅樹は5年前事業に失敗してからかなり荒れた生活だったらしい。怒鳴り声も聞こえていたという。
朝顔に頼まれて、全身の骨格模型を運んできた熊田。
肋骨の折れ方が気になる朝顔。
多江の遺体に見られるように、肋骨に均等に力を加えるのは難しいという。
一方、姉妹に話を聞いている平と桑原。
父・雅樹の交友関係を調べていると伝える。
親しかった人の心当たりはないと言う美咲。友里もわからないらしい。
美咲は半袖のブラウスを着ているが、制服の上に長袖のカーディガンを着て汗をかいている友里。
その様子から虐待を疑う桑原。
虐待を受けている子供は、傷やあざを隠すため、夏場でも長袖を着ていることがあると言う。
そこへ別の刑事が、事件の日、友里が夕方4時頃自宅に帰っていたとの目撃証言があったと報告に来る。
本人の話では、塾からそのまま友達の家に行ったはずでは?
「第一発見者で次女の黒岩友里が捜査線上に浮かんだ」と朝顔たちに報告に来た丸屋。
解剖のとき、友里につながるような手掛かりはなかったかと聞いてくる。
そこへ茶子(山口智子)が。
「犯人が自首したそうですよ。」
自首したのは姉の美咲。
会社が潰れてから姉妹に暴力をふるうようになったという雅樹。
研修のため、旅行鞄を取りに夕方4時頃家に行くと、父の横で母が死んでいた。
父が「俺が殺した」と言ったのでかっとなり、父の首をコードで絞めて殺した。
凶器のコードを出す美咲。
事件当日の夕方、美咲が確かに外出したという美咲の同級生の証言も取れたらしい。
その頃、“ずっと違和感があった”という多江の顔の写真を見ている朝顔。
「あ、分かった。リップだ。」
確かに、化粧をしていないのにリップだけ塗っている。
開口写真を確認。
「もしかして…」
平とともに事件現場へ行く朝顔。
口紅を調べている。
寝室のリモコンに着目する平。
現場の物をいじったら丸屋に怒られる…と怯える鑑識さんたち。
朝顔がリモコンを手に取り、エアコンをつける。
18℃の強風が朝10時に切れるよう設定してあった。
リビングのエアコンも確かめてみる。
こちらは25℃。タイマーは設定されていない。
死亡推定時刻は多江が午後1時頃、雅樹が午後4時頃。
もしあの日、居間のエアコンが消されていて、寝室だけ翌日まで18℃に冷やされて朝10時にタイマーで切れるようになっていたとしたら?
そこへ丸屋が来る。
案の定、現場の物を動かしたことを怒られる平。
二人の直腸温度が書かれた紙を見ながら考えていた朝顔。
「丸屋さん、私たちは大きな勘違いをしていたかもしれません。」
山倉が法医学教室に友里と美咲を連れてくる。
平と朝顔、丸屋もいる。
「両親が亡くなった時間が間違っていた」と姉妹に伝える朝顔。
先に多江が、その後雅樹が亡くなったと思われていたが、実際は逆だった。
正確には正樹が夕方4時から5時の間、多江は夕方5時から6時の間。
夕方4時頃、一旦塾から帰宅していた友里に何か見ていないか聞いてみるも、姉の美咲が口を挟む。
「何も見てないよね?何も聞いてないよね?私が父を殺したんです。弁護士を呼んでください。何も話す気はありません。」
そんな美咲に話しかける朝顔。
「お父さんを殺したのはあなたでも友里ちゃんでもない。別の人だよね?」
リモコンの指紋を調べたところ、一番上にあった指紋は美咲のものだった。
「死亡推定時刻をずらそうとしたんですね?」と丸屋。
黙る美咲。
「お母さんに口紅を塗ってあげたのは友里ちゃんだよね?」と朝顔。
死後硬直が始まると唇が開かなくなるから、口紅が綺麗に塗れないということを看護学生の美咲は知っていたはず。
洋服を着替えさせてあげたのも二人。
「お姉ちゃん、もう本当のこと言おうよ。」
友里が話そうとするのを制止する美咲。
「絶対言っちゃダメ。」
頑なな二人に、朝顔は推測を語って聞かせる。
美咲は母・多江のことを助けようとしたのでは?
肋骨は美咲の心臓マッサージで折れた。
1時間以上、一生懸命押し続けていた。
父・雅樹を殺したのは多江だった。
「二人が嘘をついてもお母さん嬉しくないと思うよ。本当のこと言ってくれないかな?」と説得する朝顔。
観念した美咲が話し始める。
「お母さんは悪くありません。あいつは殺されて当然だったんです。」
あの日の夕方、塾が終わって友里が家に帰ると、母が父を殺していた。
美咲を呼びに行った友里。
二人が戻ると、母は居間の扉で首を吊り、自殺していた。
すぐに下ろして心臓マッサージをしたが、息を吹き返すことはなかった。
「でもタオルで首をつった跡なんてなかったですよね?」と山倉。
全体重が首にかかる通常の首吊りとは違い、体の一部が地上につく非定型的縊死はすぐに下ろせば索状痕が残らない場合があるらしい。
その後、二人で父を自殺に見えるようにして、母を寝室に運び、綺麗な服に着替えさせ、死亡時間をずらそうとエアコンのタイマーをセットした。
最後に口紅を塗ろうとした友里を一度は止めた美咲だったが、毎日化粧もしないで一生懸命働いてくれた母を少しでも綺麗にしてあげたいという思いで口紅を塗った…。
「最後にお母さんに会っていかれますか?」と聞く朝顔。
しかし丸屋は、自殺を隠蔽しようとした二人をすぐに署に連行すべきだと言う。
平が立ち上がる。
「この子たちがこれ以上何かをすると思いますか?」
母に会う姉妹。
口紅を渡す朝顔。
友里が多江の唇に紅をのせる。
「お母さん、笑っているみたいだね。」と涙を浮かべる美咲。
多江に謝る。
「私が早く一人前の看護師になって二人をあの家から連れ出していれば…」
姉妹を見送る朝顔に、丸屋が声をかける。
「死亡推定時刻、よくお気づきになりましたね。」
丸屋が現場保全を完璧にしてくれたからだと答える朝顔。
丸屋の言った通り、窒息死を殺人と決めつけてはいけなかった。
死体検案書を書いている朝顔。
署に戻る桑原。
姉妹がこれからどうなるか山倉に聞いている。
「未成年の友里はともかく、美咲は死体遺棄と虚偽申告でそれなりの罪になるだろう。」と言う山倉。
ファイルを取り出す桑原。
多江と姉妹が通っていた病院からもらってきた診断書。
彼女たちが日常的に暴力を振るわれていた証拠になるものだ。
また、友里の学校から証言も取れた。
「これだけあれば裁判で情状酌量を考慮してもらえるのではないでしょうか。」
姉妹のことを思い、このことをずっと調べていた桑原。
報告を終え、出て行こうとする桑原を呼び止める山倉。
桑原に県警の捜査一課への異動の内示が出ているらしい。
つぐみと手をつないで歩いている平。
その頃、朝顔の携帯に一本の電話が。
「万木さんの携帯でしょうか?」
仙ノ浦災害復興センターからだった。
携帯を持って部屋を出て行った朝顔を心配した茶子が出てくる。
「どうしました?」
里子の手袋が見つかったらしい。
朝顔が中学生の時に使っていた手袋だから、内側に朝顔の名前が書いてあった。
手袋の中に白いものがあったという。骨かもしれない…。
平とつぐみ。抱っこしている。
街のサイレンが鳴る。
感想
ついに母・里子の手掛かりが。
長い間何も見つからないのも辛いけど、見つかったら見つかったで現実を突きつけられるようで胸が苦しくなる。
次回を見るのが辛いかも…。
今回もまた胸が痛くなるような事件。
姉妹のどちらかが殺したのではなくて良かったと思う反面、お母さんがお父さんを殺したという事実も二人に重くのしかかる。
更に姉は母を守るために自分が罪をかぶろうとして…
母と妹を暴力男から救うために頑張って看護師になろうとしていたんだろうと思うと、救い出す前にこんなことになってしまって本当に切ない。
お母さんも日常的に暴力を振るわれて正しい判断ができなくなっていたのかもしれないけど、家を出るとかできなかったのかな…。
変に偽装しないで普通に捜査されていたら、正当防衛になったのではと思ったりもする。
それと日常的に暴力を振るわれていたとわかるほどの診断書があるなら、病院から機関に通報するとかできなかったのかなぁ。
どの回も見た後にずーんと心が重くなってしまう。
可愛いつぐみちゃんが癒し。
朝顔の部屋が完全にお子様仕様になっていたのが可愛かった。
子供が産まれるとそうなるよね。
それにしても祖父と父が刑事で、母が法医学者ってすごい環境だよね。
桑原くんが捜査一課の刑事に、って、今までも捜査一課だと思ってた!
強行犯係って捜査一課じゃなかったんだ。
心が重くなりながらも、朝顔や登場人物のみんなを応援したくなるドラマ。
おまけ
お母さん役の片岡礼子さん、「あなたの番です」でも亡くなった役。
しかも微笑んで死んでいる役だから、美咲の「お母さん、笑ってるみたいだね」というセリフがとても怖かった~~~