スカーレット第5週「ときめきは甘く苦く」
ネタバレありのあらすじと感想です。
- 第5週「ときめきは甘く苦く」 あらすじ
- 第25話(10/28)あらすじと感想
- 第26話(10/29)あらすじと感想
- 第27話(10/30)あらすじと感想
- 第28話(10/31)あらすじと感想
- 第29話(11/1)あらすじと感想
- 第30話(11/2)あらすじと感想
第5週「ときめきは甘く苦く」 あらすじ
喜美子(戸田恵梨香)の協力が実って、圭介(溝端淳平)の片思いの相手・あき子(佐津川愛美)が荒木荘にやってくる。
圭介はすっかり舞い上がってしまう。
なぜか落ち込んだ喜美子は、ちや子(水野美紀)に圭介への恋心を指摘されてようやく気づく。
しかし喜美子を妹のようにかわいがる圭介に、あき子は逆に嫉妬する。
喜美子の初恋は思いがけない方向に。
絵が大好きな喜美子は、大阪に来てからも描くことを続けていた。女中の仕事のかたわらで本格的に絵の勉強をしたいと思いはじめる。
ちや子に勧められ、学校の特別講師でもある世界的な芸術家・ジョージ富士川(西川貴教)のサイン会に行くことに。
ジョージに言葉をかけられて緊張しつつサインをもらう喜美子。
そこに現れたのは、8年ぶりに会う草間宗一郎(佐藤隆太)だった。思いがけない再会を喜びあう2人。
草間は荒木荘の住人の雄太郎(木本武宏)や、さだ(羽野晶紀)とも打ち解ける。
戦後ずっと、離れ離れになった妻を探し続けてきたのだが、大阪にいることが分かったのだという。
しかし今は別の男性と一緒にいると聞いて、喜美子も戸惑う。
喜美子に強く勧められて、草間は妻に会って思いを伝えることにする。
公式サイトより
第25話(10/28)あらすじと感想
今週は草間さんがまた出てくる~!
嬉しくて叫んでしまいました。
さて。
喜美子が荒木荘にやってきて3度目の秋。
ゴンの飼い主の女性(佐津川愛美)に恋をした圭介と、その恋を応援することにした喜美子でしたが。
目下色気より食い気。
町内の人たちと近所の神社で銀杏をいっぱい拾ってきました。
町内の人たちともすっかり打ち解けて、可愛がられている様子でしたね。
なんだか安心しました。
その帰りに歌える喫茶「さえずり」の外に繋がれているゴンを見かけた喜美子。
「さえずり」にいたゴンの飼い主の女性に銀杏をお裾分けします。
「どうやって食べたらいいかわからない」と言う女性を荒木荘に連れてくることに。
という展開を思い描いていましたが、この日ゴンを連れていたのは強面の男性でした。
どうやら女性のお父さんらしい。
「さえずり」から出てきた男性を目で追っていると、女性が現れて、見合いを断る話をしていました。
女性は「あき子」という名前のようです。
そのことを圭介に報告しています。
「あき子」という名前を聞いて、美しい名前だと称賛する圭介。
恋を応援すると言った喜美子に自分の恋を丸投げw
「次はどうするの?」
本当は恋のことなんてよくわからない喜美子は、戸惑いつつも
「“荒木荘へようこそ”という方向」
だと答えますw
このやり取りを、食卓でさだと雄太郎も聞いていました。
雄太郎は「あき子」なんてどこにでもある普通の名前だと言います。
さだも、喜美子がタダの銀杏を拾ってきてご飯を作ることを、やりくり上手だと褒めます。
自分だけが舞い上がっていることに気づいた圭介は、突然「あんな人どうでもいい」と言い出しました。
医学生が恋なんて、親が嘆くと。
これを真に受けた喜美子でしたが、今度「さえずり」に強面の男が現れたら喜美子は仕事の手を休めて飛んで行っていいとさだに言われます。
さだと雄太郎は圭介の言葉が嘘だとわかっていました。
早速「さえずり」に現れた強面の男性に、圭介の話をしている喜美子。
あき子に圭介を紹介したいと伝えますが、当然男性は喜美子が何者なのか訝しがります。
圭介と自分の関係を「とてもええ関係」だと言う喜美子。
そういうことではないんだけどw
カウンターの中で聞いていた雄太郎がたまらずフォローを。
「この子は女中さんです!」
やっと話を理解した男性ですが、見合いの話ならしかるべき人を間に立てろと言います。
「さえずり」のマスターによると、男性は泉田工業の会長らしい。
会社は息子に任せ、今は大きなお屋敷で悠々自適な生活をしているんだとか。
それを聞いた雄太郎は、しかるべき人を間に立てなくてもイケると判断。
喜美子に効果てき面の五文字を伝えます。
い が く せ い
あまり食いつかなかったように見えた泉田工業の会長。
しかし後日、圭介が荒木荘で喜美子の作ったおはぎを食べながら、ちや子の新聞の新しい欄「男と女のエロエロ色々相談」を見ていると、なんとあき子が荒木荘にやってきました。
圭介に会いに来たと言っています。
「荒木荘へようこそ」の方向!
解剖したからアルコール臭いことを急に気にし出す圭介。
「こんなんでチューしたら嫌われてしまう」
気が早いw
ええとこのお嬢さんなら、いくら医学生だと言っても色々前途多難そうな恋ですね~。
早く草間さん出てこないかな。
第26話(10/29)あらすじと感想
圭介の想い人、あき子が荒木荘にやってきました。
「喜美ちゃん、ありがとう!」
喜美子にハグする圭介。罪な男。
あき子は控えめなお嬢さんに見えて、結構自己主張の強い女でした。
圭介の好きなおはぎを嫌いだと言ったり。
お茶を出そうとした喜美子に「コーヒーがいい」と言ったり。
圭介が何かと喜美子に向かって話すのも面白くなかったみたいですね。
そんな二人はハンバーグを食べると言って出かけて行きました。
その夜、喜美子はハンバーグがどういうものかさだに教えてもらいます。
これからはハイカラなものも作ろうと思ったのですね。
夜更け過ぎ、酔っ払って帰ってきた圭介。
楽しかった様子。
ダンスホールに行ってたらしいですよ。
「喜美ちゃんのおかげや~、可愛い妹!」
なんて言ってますが。
あき子は清楚そうに見えて結構遊んでるみたいですね。
喜美子の気持ちに気づいている荒木荘のみんなは、心配して起きてきました。
自分の気持ちに気づいていないのは喜美子だけ。
そんな喜美子にちや子が教えてくれました。
胸がズキズキ痛むのは、気持ちが沈むのは、恋。
喜美子は、あき子が「おはぎ嫌い」「珈琲ないの?」と言うのを聞いて、
草間流柔道で投げ飛ばしてやりたい
と思っていたことが判明しました。
思ったより過激だったw
大人になってからの喜美子はすっかり「良い娘」でしたが、子供の頃の喜美ちゃんを思い出すと、確かに投げ飛ばしてやりたいと思っててもおかしくない。
そういえば15になっても大久保さんを「とやあ!」してたしねw
浮かれて帰ってきた圭介を見て「何浮かれてるんだ、このポンコツ」と思ったこともちや子に打ち明けました。
でも、どうしてこんないけずなことを思ってしまうのか、まではわからなかったんですね。
でも圭介が嬉しいなら自分も嬉しい。
こんなに気持ちが忙しいのは初めて。
それが恋だと知って「おもろい」と言う喜美子なのでした。
あき子のキャラが思いっきり「女に嫌われる女」なのが清々しい。
圭介がすっかりあき子のペースに巻き込まれているところはイライラ。
あき子につられて「おはぎは作ってくれるから食べてただけ」発言は切なかったなぁ。
好きな人の好きなものを尊重できない女はダメだよ、圭介。
第27話(10/30)あらすじと感想
圭介とあき子の恋は順調です。
あき子は圭介がなんでも喜美子に話すのが気に食わないみたいですが、女中だからだと見下すことで心の平穏を保っているようです。
でもあき子のおかげで圭介と喜美子の距離はグッと近づいていました。
どんな風にチューするかで盛り上がる圭介と喜美子。
喜美子の気持ちに気づいていないとはいえ、圭介はデリカシーなさすぎですね。
デートに着て行くシャツを喜美子に選んでもらう圭介。
似合わない方を選んだとちや子とさだに笑われていました。
喜美子は無意識?
あき子は圭介に荒木荘を出てほしいと言います。
圭介の話は荒木荘のことばかりらしい。
喫茶店もいつも雄太郎のいる「さえずり」。
シャツを喜美子に選んでもらったことも話した様子。
あき子が喜美子のことを女中女中言い、しまいには
「女中なんかと親しくしてほしくない!」
と言ったので、圭介は思わず怒ってしまいました。
「喜美ちゃんは大切な妹や。
見下したようなものの言い方はやめてくれ。」
大きな目をうるうるさせて立ち去るあき子。
追いかけたら、あき子はしおらしく
「ごめんなさい。やきもちや。ごめんなさい。」
と言いました。
これも計算や。
でもこれをやられると圭介は許しちゃう。アホや。
圭介は荒木荘を出ることにしたと喜美子に言います。
大学の寮に移るんだって。
最初はもうすぐ国家試験だから集中するためだと言っていましたが、
勝手なこと言われると腹立つし、何言うてんねんて突き返したくなる。
けどな…好きな人の悲しい顔は見たないねん。
しょんぼりうつむかれると胸が締め付けられる。
あき子に出てくれと頼まれたから出ることにしたと白状します。
「喜美ちゃん、好きや。
妹みたいに大事に思ってるよ。」
「うちも圭介さん大好きや!」
圭介が荒木荘を嫌いになったのかと思った喜美子でしたが、あき子に言われたからだと聞いて、そうしてあげて、と言ってましたね。
心の中では「こいつ…ほんまもんのポンコツや」って思ったかもね。
私は思った。
あんな泣き顔にだまされて、ほんとアホちゃう。
でもあき子を責める気にはなれないんだよね。不思議と。
あき子はああいう感じで今まで生きてきたんだろうし、女中といえども嫉妬するのは普通の感情に思える。
それに簡単に振り回されている圭介にイライラするのよ~!
あとは喜美子がさだに着付けを教わっていましたね。
この時代でも着付けができない子が増えているとか。
お小遣い稼ぎできるといいね。
雄太郎は時代劇の斬られ役の面接に行ったようです。
受かったのかな。
毎回面接の前に柏手と草間流柔道の儀式をやっているようですw
ちなみに圭介は小児専門の外科に進むことにしたようですよ。予想通り。折衷案。
荒木荘のイケメン枠がポンコツになってしまったので。
とっとと引越してまえ。
早く草間さん出てこないかな~。
第28話(10/31)あらすじと感想
圭介が荒木荘を去る日がやってきました。
おはぎを作って渡そうとした喜美子でしたが、圭介は持っていきませんでした。
台所で一人、おはぎを食べながら、圭介との楽しかった日々を思い出している喜美子。
涙をぼろぼろこぼしながら、恋なんて二度とするもんかと固く心に誓ったのでした。
甘いおはぎがほろ苦い初恋の思い出になりましたね。
年の暮れも押し迫ったある日、荒木荘に大久保さんがいます!
喜美子はやりくりも上手く、お豆さんも上手に炊けてる。
3年目になるし、いい加減一人前のはんこ押してあげたら?と、さだは大久保さんに言っていますが、
一人前のはんこ押したら荒木荘を辞めてしまうやろ!
と寂しがる大久保さん。
実は大久保さん、学校見学のため休みを取った喜美子の代わりに仕事をしに来ていたのでした。
「レノア美術研究所」という学校が気に入った様子の喜美子。
通っている人も個性的で、特別講師にも色んな芸術家がいるようです。
そして、週3日の絵画コースがあるので、荒木荘の仕事と両立できる。
喜美子は学校と荒木荘の仕事を両立したいと思っているようですね。
さださんはこれに大賛成。
応援すると言っています。
仏頂面で相変わらず喜美子にも厳しい大久保さんでしたが、喜美子が荒木荘を辞めないと聞いて、めっちゃ喜んでました。密かに。
レノア美術研究所には「ジョージ富士川(西川貴教)」という特別講師がいるらしいのですが、ちや子によると、近々サイン会があるようです。
ジョージ富士川は日本を代表する芸術家で、パリに留学経験もあり、
「自由は不自由やで」
という名言があり、いっぱい賞をもらっているすごい人のようです。
奇しくも喜美子の父もジョージ(常治)。
同じジョージでもえらい違いだと言う喜美子。
父は「芸術なんて腹の足しにならん」と、喜美子が美術学校に行くことに反対するに決まっていると言います。
内職で貯めた自分のお金で行くんだけどね。
そんな中、雄太郎がギターを抱えて帰ってきました。
「さえずり」のマスターにもらったそうです。
死体役の面接にも落ち、その日暮らしでも明るく生きている雄太郎を見て、
やりたいことをやってみてもいいんだ!
と喜美子が思えたのかどうなのか…。
数日後、ちや子の上司、ヒラさんが荒木荘にやってきました。
知り合いのお嬢さんが荒木荘に住むので、その下見に来たようです。
そこでちや子に、「社は赤字続き。ちや子も身の振り方を考えた方がいい」と言います。
でもちや子はどこまでもヒラさんについていく所存。辞めないようです。
ジョージ富士川のサイン会の日。
ちや子に勧められ、思い切ってやってきた喜美子。
『半分だけ神』
という大きな作品がありました。↓コレ
見方がわからなかったのか、鑑賞している外国人の真似をして手を掲げる喜美子。
鑑賞の仕方に正解はないよww
現れたジョージ富士川は、こてこての大阪弁w
驚いた喜美子でしたが、この後さらに驚くことが待ち受けていたのでした…!
気になる~。
第29話(11/1)あらすじと感想
いよいよジョージ富士川に対面した喜美子。
富士川が特別講師を務めることになっている美術学校に通おうと思っていると伝えると、
基本を学ぶことは大事。
土台がしっかりして初めて自由に描ける。
というありがたいお言葉をもらいました。
「自由は不自由やで」
が口癖のようですが、深い意味がありそうでなさそうな。なさそうでありそうな。
喜美子と富士川が話しているところに中国人男性が割り込んできました。
喜美子も自分で文句を言っていましたが、それを止めに入ったのがなんと草間さんでした。
「割り込みはやめましょう」って広東語で言っていたけど、なになに?スタッフなの?
喜美子が「喜ぶに美しい子と書いて喜美子」だと説明しているのを聞いて足を止めます。
久しぶりの再会でした。
8年ぶり?
10歳から18歳ってすごく変わるよね。
名前を聞いていなかったら気がつかなかったかもね。
「さえずり」でお茶をする二人。
草間さんが来たと聞いて、さだも駆けつけてきました。
雄太郎とさだは草間さんのことを
草間流柔道さん
と呼んでいましたw
そして、思うてたより「しゅっとしてる」と。
熊みたいの想像していたのだろうと思われます。
ちや子は忙しくて来られなかったようです。
さだもすぐ仕事に戻っていきました。
さださんが喜美子の保護者みたいな口ぶりで微笑ましかったです。
15歳で荒木荘に来ているから、第二の母みたいな感じなのかな。
いや、第二の母は大久保さんか。
いや、さださんと大久保さんを足して二で割ったのが第二の母かなw
変わらず優しい草間さん。
喜美子の積もる話を聞いて「頑張ったんだね」と労わってくれました。
次は草間さんの番。
奥さんは見つかったの?
久しぶりに見た奥さんの写真。
「きれいな人や~」と言う喜美子。
まあまあやなって言ったこと、草間さんは忘れていませんでしたw
今見たらきれいで、そして優しそうな人。
草間さんは昔、奥さんと小さなお店をやろうと言っていたそうです。
一緒に過ごす時間がほとんどなかった二人なので、満州から日本に戻ったら店をやって、そしたらずっと一緒にいられると。
今、奥さんはこの近くの商店街の外れで店をやっているようです。
別の人と。
生きてたけど、別の人と一緒に暮らしていました。
満州から帰ってくるのが遅かったから、死んでしまったと思ったのかもしれない。
そしてそういう事実をみんな言えなかったんだろうな、と言う草間さん。
何も知らないで、何年も捜していた…。
切ない。
いつか笑い話にできるかなと思って、そしたら喜美子にも連絡しようと思っていたと言います。
戦後の混乱期では珍しくない話なのかもしれないけれど、それにしても悲しいです。
その頃、ちや子は大変なことになっていました。
会社に戻るとヒラさんがいません。
別の新聞社に引き抜かれて辞めたらしいのですが、ちや子以外のみんなは知っていたようです。
他の社員に「女はしょせん結婚するまでの腰掛け」だとか、「早く結婚しろ」と言われていました。
結婚しろというのはヒラさんが言っていたことだとか。
この間ヒラさんがわざわざ荒木荘に来たのは、本当はこのことを言おうか迷っていたんですね、きっと。
結局言えなかったけど。
会社を飛び出し、人ごみの中を歩くちや子。
人ごみの中にいるのに、ものすごく孤独に見えました。
「さえずり」を出て、草間さんと歩いていると、なんだか草間さんが小さく見えた喜美子。
喜美子の背が伸びただけ?
でも、あの強かった草間さんがどこかに消えてしまった気がしたのです。
子供の頃は、見上げると草間さんの顔の向こうに星が光って見えた…。
喜美子は行きたいところがあると言い出します。
子供の頃は完全無欠のヒーローに見えていた大人も、一人の人間だとわかった瞬間だったのかな。
第30話(11/2)あらすじと感想
喜美子が行きたかった場所とは、草間さんの奥さんがやっているお店でした。
躊躇する草間さんの背中を文字通り押して歩きだす喜美子。
草間さんは以前、店の前で相手の男の人と仲良さそうにしている奥さんの姿を見ただけだったと言います。
心が負けてると言う喜美子。
相手ときちんと向き合ってお互い礼をして、
そのあとは…ようわからんけど各自考えて…。
無責任w
相手の男の人を背負い投げしてしまうかも、警察沙汰になるかもしれないと言って喜美子を驚かせつつも、夫婦の問題だから何があっても喜美ちゃんは黙ってて、と言う草間さん。
そうこうしているうちに食堂に着きました。
奥さんは一目見て草間さんだと気づいたようです。
ここ、もうちょっと息をのむような驚きの表情があっても良かったのに。すぐに泣き顔になって、まるで来ることがわかっていたみたいだったから。
何も言わずに席に着く草間さん。
喜美子は別の席に着きました。
奥さんはお子様連れに渡しているというあめちゃんを二つ、喜美子にくれます。
注文した焼き飯を完食した喜美子と、ほとんど食べなかった草間さん。
草間さんがお会計をしていると、常連と思しき母子がやってきて、「つわりはどう?」と奥さんに聞いていましたね。
草間さんが去ったテーブルを片付ける奥さん。
新聞の下には、記入済みの離婚届と
「幸せに 宗一郎」
と書かれたメモがありました。
草間さんが離婚届を置いてきたことを、喜美子は知りません。
草間さんは、ジョージ富士川のサイン会で横入りしてきた香港の美術商の通訳で大阪にきていたんだとか。
普段は東京に住んでいるようです。
喜美子は来年の春から美術学校に通おうと思っていることを報告しました。
「先生に礼!」
「お互いに礼!ありがとうございました!」
また会うことを約束して別れた二人。
荒木荘に帰った喜美子に、お父ちゃんから電話がかかってきます。
お母ちゃんが倒れたと言っています。
懐かしい父からの突然の知らせでした。
これもえ~~!なんだけど、まずは草間さん!
大阪に来ることが決まった時点か、もっと前から離婚届を用意していたんだよね。
でも喜美子がいなかったら多分渡せなかった。
戦後の混乱期でも、やっぱり離婚届を出していないと再婚できなかったのかな。
奥さんはお腹に赤ちゃんがいるみたいだったから、離婚届は正直助かるよね。
でももちろん奥さんの方からそんな話はできないし。あの場で。
「悪いけど離婚届、書いてくれへん?」
なんて、あの場ではとても…。
離婚届とメモは草間さんから奥さんへの最後の愛。
切ない回だった。
あのアメちゃんは、奥さんから精一杯の最後の愛だったのかもしれない、と思う。
ちっさ!!
けど今はもうそれしか渡せない。
草間さんも最初はそれを受け取らず、でも最後は受け取って、食べた。
消化してしまおう!
草間さん、絶対幸せになってほしい!!