ラジエーションハウス 特別編~旅立ち~ ネタバレありのあらすじと感想です。
あらすじがめちゃ長いので、感想だけ見たい人は↑からよろしくね。
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あらすじ
杏(本田翼)との新しい約束を胸にアメリカへ旅立つ五十嵐(窪田正孝)。
機内で一枚の写真を見ていると、「いい写真だね」と声をかけられる。
振り向くと、以前甘春病院で五十嵐が命を救った世界的写真家・菊島(イッセー尾形)が。
偶然の再会。
コックピット。
緊張している若い副操縦士・深澤(神田穣)。
「パイロットに必要なのはどんなときでも平常心。
乗客400人の命を預かってるんだからな。」
と機長の工藤(金田明夫)。
「その話、400回くらい聞きました。」と深澤。
離陸する飛行機。
菊島はアラスカに行って流星群を撮影するらしい。素敵ね~。
積乱雲のため、突然激しく揺れる機内。
五十嵐は揺れで写真をどこかに飛ばしてしまう。
コックピット。
「お前の緊張が移った」と、体調が悪そうにしている機長。
揺れが収まり、いびきをかいて眠る菊島の横で落ち着かない様子の五十嵐。
飛ばした写真を探そうと席を抜けるが、そこへドクターコールが。
具合の悪くなった乗客がいるらしい。
黒川(中島歩)という内科医が名乗り出て、具合が悪くなった外国人男性のもとへ。
五十嵐も行く。
黒川の問いかけに答えられない男性。
意識障害、頻脈、呼吸不全ーーー
その頃、甘春病院には、スポーツバッグにお守りをつけた高校生・良平(前田旺志郎)が右肘の検査にやって来る。
機内
機長に容体を報告したいと黒川に声をかけるCA(須藤理彩)。
発赤が出ているのでアレルギーっぽいが、よくわからない五十嵐と黒川。
甘春病院
自分で撮った五十嵐の後ろ姿の写真を物憂げに見つめる杏。
話しかけるたまき(山口紗弥加)。
五十嵐がいなくなって、技師たちは蝉の抜け殻みたいになっているらしい。
興雲大学の高橋(中尾明慶)という人物が画像をデータを受け取りにやって来るが、抜け殻たちは誰も反応しない。
喝を入れる技師長の小野寺(遠藤憲一)。
五十嵐の席を見つめる小野寺。
杏との幼い頃の約束、“世界一の放射線技師になる”ためにたくさん勉強していたら、いつの間にか医学部に行っていた話を思い出している。
やたらと回想シーンが多いです…
杏が、抜け殻になっている裕乃(広瀬アリス)に声をかける。
いつも五十嵐に助けてもらっていたから不安だと言う裕乃を見て、
「あなたが手出しできないくらい優秀な放射線科医になってみせます!
だから…必ず戻ってきてください。」
五十嵐との約束を思い出している杏。
機内
男性が持っていた診察券から、前日病院に行っていたことを知った五十嵐。
腕に注射の跡を発見。触ると熱い。
CTかMRIを使った検査をしたのでは?
「間違いありません。これは造影剤による遅発性のアナフィラキシーショックです。」
バリバリ診断を下す五十嵐。
技師でいたいなら、さりげなくヒントを与えて黒川から答えを引き出すコナン方式でいかないと。ダメなら麻酔銃で。
抗アレルギー薬を投与すれば発作は治まるということで、アドレナリンかステロイド薬をCAに頼む黒川。
甘春病院
良平の右肘の検査をする小野寺。
右側から声をかけると聞こえていない様子…。
検査の様子を見ていた技師たちは、良平が将来有望な高校野球のピッチャーで、ニュースでも話題になっている子だと騒ぐ。
裕乃に「サインをもらってこい。」と命じる軒下(浜野謙太)。
実は右肘はそんなに痛くない、と小野寺に話す良平。
練習をサボりたかったらしい。野球も辞めたいと言う。
骨が折れているように見える写真を撮れないか、と聞いてくる。
「前に同じような子を検査したことがある。」と小野寺。
回想シーン。忙しい母親に構ってほしくて大げさに痛みを訴えていた少年・健太郎のことを思い出す。検査の結果、遺伝的に様々な悪性腫瘍にかかりやすい病気だということが判明したのだった。
「おじさんにできるのは正確な写真を撮るだけ。
世の中には自分の病気と向き合って真剣に検査を受けに来る人がたくさんいるんだ。」と優しく諭す小野寺。
良平の画像を読影する杏。
「目立った初見は見られない。」と入力する。
それを良平に伝える整形外科医の辻村(鈴木伸之)。
立ち上がり、よろける良平。
バッグにつけていたお守りがなくなっていることに気づく。
廊下でお守りを探していた良平に声をかける裕乃。
聞こえていないような様子。
“サインをもらえ”と裕乃に合図する軒下。
思い切ってサインのことを切り出すが、良平が活躍していたのは去年の話で、今はベンチにも入れない落ちこぼれらしい。
「おばさん、何か勘違いしてません?野球ももう辞めるし…」
お守りを見つけ、「失礼します。」と去っていく良平。
ラジエーションハウスに戻り、去年のニュース記事を見る裕乃。
「夢は甲子園優勝」「リトルリーグ時代からの大切なお守り」と書かれている。
良平が探していたのは、バッテリーを組んでいる風太とお揃いのお守りらしい。
回想シーン。自分の高校時代のバスケを思い出す裕乃。
あの時もみんなでお揃いのお守りを持っていた。
「このまま逃げ出したら一生後悔すると思います。一生懸命お守りを探していたんです。ホントはまだ野球やりたいんじゃないかな…」
そこへ戻ってくる小野寺。
良平の右耳が聞こえづらいのでは、と言う。
そういえば、と裕乃も。
でも既往歴はなし。
考えるみんな。
「五十嵐ならどうするでしょうね…。」と威能(丸山智己)。
五十嵐の諦めない姿勢を思い出し、出て行く裕乃。
機内
席に戻る五十嵐。
菊島と五十嵐の会話を聞いていた黒川は、五十嵐が放射線技師だということを知る。
お礼を言いに来たCAによると、今日は機長のラストフライトらしい。
コックピット。
機長がラストフライトのコーパイに深澤を指名したのは、深澤が一番ビビりでこの先が不安だかららしい。
トイレに席を立つ機長。
具合が悪そう。お腹を押さえて倒れる。
杏との日々を思い出している五十嵐。
付随して辻村との日々も思い出しちゃった。
娘からのメールを嬉しそうに五十嵐に見せる菊島。
仲違いしていた娘とこんな良い関係になれたのは五十嵐のおかげだと感謝している。
CAが黒川に声をかけたのを見て、また急患か?とついていく五十嵐。
寝かされている機長を見て、急患って機長ですか?!と驚く黒川。だよね。
息がしづらいらしい機長。
既往歴はなく、前日に検診も受けていて問題ないと言われたらしい。
後ろからのぞいている五十嵐に「ここは自分だけで大丈夫だ」と言う黒川。
しかし五十嵐はどさくさに紛れて機長のそばまで来る。
酸素を投与して様子を見ようと言う黒川に
「呼吸苦を甘く見ない方がいいと思いますよ。」と五十嵐。
写真を撮るだけの技師が余計な口を挟むな、と言われるが、写真…?と何かひらめき、機長が検査を受けた病院を聞き出す五十嵐。
甘春病院
良平を呼び戻した裕乃は、右耳のことを聞いてみる。
実は1年ほど前から耳鳴りがしていたらしい。近所のクリニックへ行ったが、異常はなくて精神的なストレスからくるものだろうと言われた。
ちょうどその頃、野球がスランプだったと。
「自分のメンタルが弱いせいだから気にしないでください。」と良平。
ラジエーションハウスに戻った裕乃。
精神的なものだったとしてもなんで右耳だけなのか?
たまきに聞かれて、そこまで考えが及ばなかった裕乃は、五十嵐なら気づいたかもしれないのに…と落ち込む。
「頼れるのは五十嵐だけじゃない、もう一人いるだろ。」と悠木(矢野聖人)。
回想シーン。
昔は技師に対して上から目線で偉そうだった杏。
五十嵐に感化されて少しずつ変わってきた…
軒下が杏を呼びにダッシュ。
杏に良平の症状を説明していると、辻村が登場。
目眩がするみたいだった、との追加情報をもたらす。
耳鳴りに難聴に目眩?右耳だけ…と考え込む杏。
機内
五十嵐のもとに、機長が検査を受けた病院からレントゲン画像が送られてくる。
院長(和久井映見)が掛け合ってくれたらしい。
画像を見て走り出す五十嵐。
「分かったんだな?分かったんだ。分かったんでしょ?
分かったんだよ、慌ただしいもん。」
とよその人に話しかける菊島。五十嵐あっという間に走り去っちゃったから…
“ウェスターマークサイン”があるから、機長は肺塞栓症だと主張する五十嵐。
黒川は「こんなわずかな所見で決めつけるのは早い」と言うが、この写真を撮ったときより症状は悪くなっているはず。このままだと命が危ない。
「緊急着陸すべきだ。」と五十嵐。
今日は機長のラストフライト…。目的地まであと5時間。機長の容体も今は安定している。
「しばらく様子を見る。」と黒川。
しかし機長が苦しみだす。
事態は一刻を争う。悩んだ末、
「緊急着陸が必要だと副機長に伝えてください。」とCAにお願いする黒川。
甘春病院
良平に検査の話をする杏と辻村。
耳鼻科では異常なしだったと言う良平に、
「検査で異常がないと言われたら心の問題だと思ってしまいますよね…。」
と、うつ病だと勘違いされていた父のことを思い出す杏。
回想シーン。
耳の調子が悪いのに、原因はまったく別の箇所にあったというケースはまれにある。
「正しい検査を受けてほしい。」と良平に訴える杏。
機内
機長の容体は良くなく、このままでは心停止の恐れも…でも医療機器も揃わない機内ではどうすることもできない…。
「ドアックがあれば。」と五十嵐。血液をサラサラにする薬らしい。
しかし抗凝固薬なんて都合よくあるわけない、と黒川。
ないなら探しましょう。
機内アナウンスで血液をサラサラにする薬を持っている人を探す。
五十嵐と菊島も聞いて回るのを手伝う。
管制にメーデーを伝える副操縦士の深澤。緊急着陸を要請する。いっぱいいっぱいな様子。
薬が見つかったらしく、機長に飲ませる。
甘春病院
検査に戻った良平に、野球でバッテリーを組んでいる風太からメール。
「肘どうだった?大丈夫?」
「今別の検査してて、調子悪かった原因がわかるかもしれない。
調子戻ってくるかも。」返信打つの早!
お守りを握りしめる良平。
検査の結果、良平の病気は“聴神経腫瘍”だった。
難しい手術になるが、腫瘍を取り除けば症状は劇的に良くなると思われる。
ただ…
「治る頃には夏、終わっちゃいますよね…。」と良平。
甲子園に行く夢。
お守りを握りしめる良平に声をかける裕乃。
自分にも似たような経験があるから少し気持ちがわかる、と。
「今は目の前が真っ暗になって、それが世界の全てのような気がしちゃうと思うけど、でも実際は今の夢だけじゃありません。
良平くんの未来はこれからもずっと続いていきます。
社会に出れば、新しい夢だって出会いだってきっとたくさん待っています。
こんな私ですら見つかったんだもん。良平くんにだって必ず見つかるって、おばさん、そう信じています。」
「…そうですね。俺、諦めません。
必ず病気治して大好きな野球、絶対続けてみせます。」
機内
着陸10分前。
口では大丈夫と言いつつも、緊張して顔がこわばっている副操縦士の深澤。めっちゃ不安だわ。
そんな深澤に機長から内線が。
「一つ伝え忘れたことがある。
お前は誰よりもビビリだ。その分、誰よりもおごることなく慎重に飛べる。
自信を持て。
パイロットに必要なのはどんな時でも…」
平常心、と深澤。
「乗客400人の命預かってるんですもんね。」
覚醒した深澤。
強い横風の中、冷静に着陸態勢に入る。
五十嵐たちシートベルトしてないけど大丈夫なのかな…CAすら座ってるけど!
無事着陸。五十嵐たちの衝撃やばい。
薬で症状が落ち着いたらしく、「情けない…」と起き上がる機長。
「30年間無事故無欠勤だけを誇りにパイロットを続けてきた。
それが最後の最後にこんな終わり方をするなんて…。」と落ち込む。
「見事なコンビネーションだったと思います。
機長と副機長、きっとお互いを理解して尊重し合っているからこそ、成し遂げられたんだと思いますよ。
それに最後ではないと思います。機長が皆さんと過ごした日々はそう簡単に消えるものではないと思います。たとえどんなに離れていたとしても、皆さんの中に残り続けると思います。」と五十嵐。
甘春病院
その頃、杏も…
「五十嵐さんと過ごした日々は簡単に消えるものではないと思います。」と裕乃に言っている。
五十嵐との日々を思い出す杏。
機内
当初の目的地ではない空港に緊急着陸したのに和んでいる機長たち。
乗客への対応そっちのけでクルー総出で談笑している。
乗客対応に当たっているクルーたちが他にいるのだと信じたい。
院長室
(競)馬好きの小野寺に人参ジュースをふるまう院長。
人参が丸ごと入っているのを見て、そっと横に押しやる小野寺。
ほんとにこんな人参が丸ごと入ってた…w
院長に「昨日お返ししたあれ」を返してもらう。
休みの日まで勉強している鏑木(浅野和之)を、マイナーな職業な上につまんない人生、と馬鹿にする娘。けしからんな!
「放射線科医には放射線科医としてのプライドがある。」
と五十嵐のことを思い出す鏑木。回想シーン。
「負けてられませんからね。」
「フーン、ちょっとかっこいいじゃん。」と少し見直される。
機内
乗客が降りたあと、落とした写真を這いつくばって探す五十嵐。
写真は黒川が持っていた。
「次会うときは負けませんよ。」
最後まで五十嵐のことを技師だと思っていたからその能力にびっくりしていたけど、医者だから!!って教えてあげたくなる。
ここに1つのお守りがある
風太に背中を叩かれ、一緒に歩き出す良平。
結婚祈願 恋愛成就 合格祈願
人の数だけ 願いがある
かなうかどうかはわからない
院長に返してもらった五十嵐の制服と職員証をデスクに置く小野寺。
それでも人はなぜ願い続けるのだろうか
それは…
無事手元に戻った写真を見つめる五十嵐。
「また会えるといいね。」と言う菊島に
「会えます。必ず。約束しましたから。」と五十嵐。
技師たちと杏が笑顔で写っている。写真の杏をなでる。
忘れないため、なのかもしれない
杏も五十嵐の後ろ姿の写真を見つめている。
甘春病院
朝、出勤する技師たち。最終回の最後のシーン。
フレッシュぴちぴち45歳の新人技師、田中フクオ(八嶋智人)が待っている。
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感想
最後に、五十嵐と杏が子供の頃の別れのシーン。
「私のこと、忘れないでね。」って言っていたのは杏。22年後にはすっかり忘れていたけどそれは仕方ないね。昔の五十嵐はぽっちゃりで今の姿と結びつかないしw可愛いけど。
大人になり、今度は五十嵐が「約束を忘れないで。」と杏に言う番。
一回りも二回りも成長して、また再会できるといいね。
ラジエーションハウスに席もあるみたいだし。
でも本当は五十嵐、人の命を救いたいんだよね。機内でも必死だったし。杏との約束が足枷になっている気がする…。
で、この特別編ですが、回想シーンが多すぎ。
今までのドラマを見ていた人にとっては回想シーンは丸ごといらないし、見ていなかった人は細切れの回想シーンを見せられてもよくわからんよね。
回想シーンだけで1時間あったんじゃない?くらいのボリューム。
回想いらないから、五十嵐がアメリカに着いてからの話が見たかった。
でも今までのお話と今回のエピソードをうまく絡めてあったとは思う。
今回の見どころの一つ、機内でのドクターコール。
いくら医者でも、医療機器や必要な薬がなければ十分な対処ができないというもどかしさ。
五十嵐はそんな逆境をも乗り越える。すごすぎ。
ちなみに同じようなケースを経験したドクターの体験記がありました。
緊急着陸するかどうかの判断を迫られるところも同じ。
仕事中でもないのに重大な決断を迫られる…
自分の決定が人の命を左右するかもしれないプレッシャー。
トラブルに巻き込まれることを恐れて名乗り出ない医師も多いらしい。
ドラマだとすごくかっこいいけど、現実はそんなもんだよね。
だからたまに偶然居合わせた医師が命を救ったなどのニュースを見るとしびれるのです。
かっこよすぎて。
さて。最初は右肘の痛みで受診した良平。
まえだまえだの弟くんです。ちょいちょいドラマで見かけますね。
もう高校生だし検査くらいなら一人で来る子もいるかな…って思ったけど、さすがに追加の検査の説明なんかは親も来ない?突然だから来られなかったのかな。
でも1年前から耳鳴りがしていて、活躍していた野球も突然不調になり、右耳も聞こえにくい。
少し接しただけの技師たちが「右耳が聞こえにくいのでは」と気づくんだから、親も気づきそうだけど。精神的なものと言われても大事な我が子のこと、放っておくかなぁ。
キャストが増えると色々大変なのかもしれないけど、親が全く出てこないのも不自然で気になっちゃった。
キャストといえば、ラジエーションハウスに画像データを取りに来た興雲大学の高橋さんこと中尾明慶。
チョイ役に中尾さん、やたら凝った大学名…
と思ったら、次の月9・『監察医 朝顔』に、興雲大学法医学教室の検査技師としてご出演されるそうです。
法医学物も根強い人気があるよね。
上野樹里さん主演。『のだめカンタービレ』以来13年ぶりの月9主演だって。
何よりものだめが13年前だということに衝撃を受けました。嘘でしょ。震える。
某俳優の不祥事により、再放送できない様子。
でも見たいな。新月9の良い宣伝になるだろうに。
時任三郎さんも上野樹里の父親役で出るみたい。
『インハンド』では死んじゃったけど、復活されて嬉しい限りでーす。
ラジエーションハウス、原作の漫画はまだ続いているみたいだし、ドラマも続編がありそうな終わり方。
五十嵐にはまた戻ってきてほしいなー。
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