抹茶のドラマ感想

ネタバレありのドラマ感想です。

デジタル・タトゥー 最終回 ~悪意の向こう側~ あらすじと感想

 

デジタル・タトゥー 最終回 ~悪意の向こう側~
ネタバレありのあらすじと感想です。

 

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あらすじ

タイガ(瀬戸康史)から託されたUSBの中身を見る岩井(高橋克実)。

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「これは…マネーロンダリング…」
一年半前、どんなに壮輔(竹財輝之助)を問い詰めても手に入れることができなかった証拠のお品物になります。
マネーロンダリング゙・・・資金洗浄。犯罪などで得られた汚い金を口座から口座へ移動させることでキレイな金に変身させること。 国際的な問題でもある。

f:id:matchadrama:20190706211703p:plainこれはもちろん比喩。

雑誌記者の小宮山(今野浩喜)に金の流れがわかった、と電話する岩井。
「派手にぶち上げてくれ!」

証拠を握った岩井は伊藤秀光(伊武雅刀)の自宅に突撃。

一方タイガはともちんことVチューバ―の緒方智紀(近藤公園)に拘束されていた。
緒方の顔を知らないタイガは、目の前の男が誰だかわからない。
3Dプリンターで作ったおもちゃみたいな銃でタイガを脅す緒方は、銃の威力を証明するためにスイカを撃つ。
粉々に砕け散るスイカ…

f:id:matchadrama:20190706072440p:plainもったいな…

どんな顔でスイカ買ったのかなぁ。

緒方はタイガのファンだったらしい。
しかし緒方が作ったブルバキッズというゲームを、ある日タイガが動画でこき下ろしたせいで、そのゲームは販売中止になってしまった。残されたのはとんでもない賠償金と誹謗中傷の嵐…。
そのゲームが最高のゲームだってことを証明してやるよ、ということで同じ舞台をここに再現したらしい。
ゲームと同じように椅子にくくりつけられているタイガ。
クイズに間違えると銃で撃たれるんだって。 悪趣味…

ちなみに、新橋の交差点でタイガを押したのは緒方の仕業だった。

 

秀光の自宅。
岩井は、タイガが父親に存在を否定され続け、存在を消されるのではないかと悩んでいたこと、だから死んだふりをして自由になろうとしていたことを話す。
闇サイトで人を雇って、地下鉄でタイガを突き落とそうとしたことも聞いてみるが、秀光は知らないと言う。
実は選挙戦を控えてタイガの存在を疎ましく思っていた秘書の高嶋(飯田基祐)がやったらしい。
秘書の行為を詫びる秀光。
「私は息子を二人、失ったんです。
一人は私に失望して死を選び、もう一人は牙をむいて出て行った。」
「壮輔さんは自ら死を選んだんですか?
あんたが死ねって言ったんじゃないのか?」
驚く岩井。

 

「タイガくん 公開☆生処刑!」と題してライブ配信を始める緒方。悪趣味…
「第1問!ユーチューバー・タイガの本名は何?
5 4 3 2 1…ブッブー!ではいきます。」とタイガに向けて銃を撃つ。
かすめたのか、タイガの頬に血がにじむ。
クイズに答えられないと、どんどん撃つ距離を縮めていくスタイルらしい。

「第2問。タイガ、すなわち伊藤大輔の父親は誰?」
「伊藤秀光。」
「ですが、伊藤秀光が2018年にカジノ誘致の見返りに賄賂を受け取ったとされるゲーム会社の名前は?」ですが、ってひどくない?第2問正解してるじゃん!
答えなくてまた撃たれるタイガ。またかすめた?

 

「タイガが中継されている」とスタッフから報告を受ける秀光。
映像を見て「機械の音がする…」と気づくスタッフ。
緒方が「はめかえる」と言っているのを聞いて、3Dプリンターで銃を作っているのではと突き止める。すごすぎ。
樹脂でできているので銃身は使い捨てらしい。
またフェイク動画かもしれないと、警察に知らせることを躊躇っていた秀光も、本物と同じような銃が作れると知り、すぐに警察に連絡。
警視庁にはすでに動画を見た多くの人から通報がきていたらしい。

 

「さあ、ついにユーチューバータイガに天誅を下す時が来ました!」
「天誅を下す…」
緒方の正体に気づき、椅子ごと倒れて時間稼ぎをするタイガ。
「天下のタイガ様がともちんなんかに殺されてたまるか!」
正体をバラされて中継を切る緒方。

突然映像が切れて慌てる秀光。
「誰なんだ、犯人は!」
“ともちん”と聞いて記憶を手繰る岩井。
「こいつはゲームクリエイターの緒方智紀です。
自分が作ったゲームをタイガに批判されて火がついたんだ。」
タイガが築地の倉庫を借り切って動画を撮っていたことを思い出し、築地へ急ぐ。 

 

このゲームを最後まで邪魔されずに終わらせるためには、今身バレするわけにはいかないと怒る緒方。
「俺はあのゲームに命懸けてたんだ。それを台無しにしやがって…。おまけに俺を誘拐犯に仕立てたインチキ動画まで流しやがって…」
覚悟しろ!と引き金を引くが、まさかの不発。
使い捨ての銃身の寿命かな。
しかしタイミング良く3Dプリンターで作製していた新しい銃身が完成。
そこへタイミング良く岩井たちも到着。

タイガの拘束を必死で解く秀光。
なんでこんなバカなことを、とタイガを叱るが、反発するタイガ。
「親父はいつも自分の保身のことばかり、そうやって兄貴のことも殺したのか。」
その時、岩井に抑え込まれていた緒方が振りほどいてタイガを撃つ。
咄嗟にタイガを庇って撃たれる秀光。

 

 

 

警察にいる岩井のもとに駆けつける早紀。
取調べから戻ってきたタイガに抱きつく。
複雑な表情で見守る岩井。

 

緒方に撃たれながらも運良く一命を取り留め、自宅に戻った秀光のもとを訪ねるタイガと岩井。
タイガに「地盤を継いでもらいたい。」と秀光。
タイガが政治家になることは壮輔の遺志でもあると言う。
政治家は真っ白ではいられない。
だからといって真っ黒でもない。
灰色に染まりながら自分が信じる善を選び取る。
それが政治家だ。

秀光は壮輔に証拠を消して死ぬように命じたわけではなかった。
「あいつは政治家には向いてなかった。
まっすぐで優しすぎた。
ああいう人間は政治家には向かない。」
岩井が壮輔の取り調べをすると決まったとき、秀光はこれを最後に秘書を辞めて政治の世界から身を引くように言ったらしい。
それが壮輔にはこたえた。
壮輔はずっとタイガにはかなわないとコンプレックスを抱いていた。
懐から壮輔の遺書を取り出す秀光。
「あいつが政治家になりたいと言ってきた時に止めるべきだった…」と涙を浮かべる。

壮輔の遺書を岩井の事務所の屋上で読むタイガ。
どんな時でも唯一の味方だった兄の優しい笑顔を思い出す。

「伊藤秀光様
秘書としての役目をこのような形でしか果たすことができない私をどうかお許しください。秘密は必ず守り通します。トロイ関係の資料は私の死後、全て大輔のもとへ届くよう仕込んであります。それをどうするかは大輔次第ですが、実の父親を売るようなことはしないでしょう。大輔が私に代わって秘密を守り、あなたを支え続けてくれることを期待しています。
彼にはあなた譲りの才能とカリスマがあります。
あなたの後を継ぐべきなのは本当は大輔だったのではないでしょうか。
死にゆく私にとっての心残りはただ一つだけ。大輔とあなたが断絶したままでいることです。どうか大輔を許してやって頂きたいと切に願っています。」

 

パソコンに向かって記事を見ている岩井。
伊藤秀光と特捜の攻防③
『伊藤秀光の身柄拘束…しかし、証拠出ず。特捜の汚点』
壮輔を恫喝したことを思い返す。

屋上に上がり、壮輔のことは自分の責任だ、とタイガに謝る。
壮輔が命懸けで守った秀光の不正を暴くデータ。
これを公にすることは壮輔の遺志に反することだが、岩井は壮輔の死に関わった人間としての役目として決着をつけたいと話す。
「おじさんを恨む気持ちはゼロじゃない。」
でも、壮輔が死んだのは岩井のせいではないと言うタイガ。
「どうするかは俺が決める。そうさせてよ、おじさん。」

 

「悪い!ブツが出たって話、なくなった。勘違いだったわ。」と小宮山に謝る岩井。

 

美枝子(朝加真由美)とともに壮輔の墓参りに行くタイガ。
そこへ秀光が現れる。頭が岩井と似てるもんで遠目だと区別がつきにくいw
「俺は政治家にはならない。」
壮輔の遺書を読み、壮輔が自分に抱いていた感情を知ってショックを受けたタイガ。自殺に追い込んだのは自分なのではないかと。
でもこれがなければ…

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これさえなければ兄貴が死ぬことはなかったのではないか。
「俺はあなたを告発します。」
全てを受け入れ、静かに微笑む秀光。

 

その後。
秀光が東京地検特捜部に任意同行する様子が報じられている。
緒方も殺人未遂の罪で起訴され、裁判にかけられているらしい。
ネットではタイガも相当叩かれている。

タイガと連絡を取り合っている早紀。
「炎上もここまで来ると気持ちいいね。」と、全然へこたれていないらしい。
タイガに勇気をもらった早紀は、「やっぱり東洋テレビと闘ってみる。」と。

岩井は検事に戻る気はないらしい。
巨悪を正すこと、大悪人を捕まえて自白させて牢にぶち込むことが自分の使命だと思っていた岩井だが、世の中の悪人の9割は大きくも強くもない、弱くて小さな人間だということに気づき、そういう人間に寄り添う弁護士の仕事も悪くない、と思い始めたようだ。

 

オケケのカレー屋。
早紀の件でテレビ局と闘うことになるかもしれない岩井に、「格安で引き受ける」と言う田村(八嶋智人)。
「いやいや私も弁護士ですから…。
なんでそんなに仕事したいんですか?暇なんですか?
と言って田村を動揺させる。
「嘘でしょ?え、ちょっと今のは失礼じゃないですか?こっちは親切で言ってんですよ?!」いや暇なんでしょうw
オケケは普通に良いオケケだった。

東洋テレビ。
過呼吸の発作を起こして倒れたことを証明する診断書を出す早紀。
「世間では自殺未遂したことになって騒がれましたが、事実はそうではありません。
そもそもあの日、私はこちらで内定辞退を勧められ、その精神的ストレスで発作を起こしたんです。」
流出した写真も当時交際していた同い年の男性と撮ったもの。二十歳を過ぎた成人の女性としてごく普通の行動をしていただけで、弁解の必要すらないと言い放つ。
「私は内定を辞退しません。」

 

ユーチューバー タイガも復活。
“オジサンの初体験シリーズ第1弾・パラグライダー編”
オジサン?と思ったら、出てきたのは岩井。
嫌がる岩井を無理やり大空へ羽ばたかせるタイガ。他のシリーズも見たいw

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「岩井堅太郎法律事務所、よろしく~!」

 

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感想

ちゃっかり法律事務所の宣伝をして、タイガ本当に才能あるw
法律事務所の宣伝って、今でこそCMなどでもバンバンやっているけれど、昔は「品位に欠ける」として規制されていた。
本格的に解禁されたのは2000年のこと。
利用する側からしたら情報が開示されるのはありがたく思えるが、専門性の高い職業ゆえ、開示されたところで選び方が良く分からないという。
知り合いの伝をたどるのが一番安心だと思うけど、どうしてもいない場合は法テラスへ。
第3話で岩井もやっていたように弁護士会の無料法律相談もあるし。ね。

さて、タイガは政治家にはならなかった。
政治家になったら斬新で面白かったけど、ドラマ的には「なし」だよね。
「政治家は真っ白ではいられないが、真っ黒でもない。
灰色に染まりながら自分なりの善を選ぶ。」という秀光の言葉。
汚職に手を染めた人が言うとね。ちょっとグレーが濃すぎたのかなと思うけど。

ちょっと違うかもしれないけど、

  • 田や沼やよごれた御世を改めて 清くぞすめる白河の水
  • 白河の清きに魚も住みかねて もとの濁りの田沼恋しき

これを思い出した。
清廉潔白すぎる政治は一般人にも窮屈なのは昔も同じらしい。
とはいえ犯罪はいかん。

しかし秀光も、政治家の顔を剥がせば息子想いの普通の父親だった。
残念ながら壮輔にもタイガにも伝わっていなかったみたいだけど。
そういえば秘書の高嶋は当然解雇だよね?
事務所のパソコンから闇サイトにアクセスしてタイガの襲撃依頼をするなんて、
大・胆。

早紀は今も昔も強か。
岩井の娘だけあって、アナウンサーになっても図太く生き残っていけそう。
そんな岩井は、巨悪と闘うために弱者のことなんて眼中になかったけど、ヤメ検弁護士になり、タイガと出会って変わっていった。

自信作のゲームを酷評されてタイガを逆恨みしていたともちんこと緒方は…。
巨額の賠償金と誹謗中傷の嵐にさらされたら自暴自棄になるのもわかる気はするけど、やりすぎだよね。
3Dプリンターを購入したり、苦労して銃弾を手に入れたりする間に我に返らなかったのか、残念でならない。
地下鉄でタイガを押した人が金で雇われたと知らずに「自分に触発された」と言っていたり、タイガの誘拐劇を「自分を誘拐犯に仕立てたインチキ動画」と言っていたりするところを見ると、かなり自意識過剰っぽいから、復讐する自分に酔っていたのかもね。動画の件はともちんの存在を利用はしたかもしれないけど、別にともちんじゃなきゃいけなかったわけではない。
で、映像を見ただけで3Dプリンターで銃を作っていることを突き止めた秀光のスタッフもただ者ではない。
この辺はちょっとご都合主義だったかな。

でも全体を通して良いドラマだった。
デジタル・タトゥーにはみんな気をつけようね。
個人的にはアルバイト店員などによる奇行も取り上げてほしかったな。
一生を棒に振る可能性がある行為だということを知ってか知らずか、似たような事件が後を絶たないし、軽い気持ちでやった犯人がその後どんな苦労をすることになるか、ドラマでしっかり見せてほしかった。
続編や同じような題材のドラマを作製される際にはぜひよろしくお願いします。

 

 

 

 

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