スカーレット第13週「愛いっぱいの器」
ネタバレありのあらすじと感想です。
- 第13週「愛いっぱいの器」 あらすじ
- 第73話(12/23)あらすじと感想
- 第74話(12/24)あらすじと感想
- 第75話(12/25)あらすじと感想
- 第76話(12/26)あらすじと感想
- 第77話(12/27)あらすじと感想
- 第78話(12/28)あらすじと感想
第13週「愛いっぱいの器」 あらすじ
昭和40年夏。27歳の喜美子(戸田恵梨香)には八郎(松下洸平)との間に、4歳になる武志がいる。
独立した八郎と喜美子は、作業場「かわはら工房」を自宅脇に建てた。
八郎が作品づくりにいそしむかたわらで、喜美子は食器をたくさん作って家計を支える忙しい日々。
武志の世話はむしろ八郎が多く担っているくらいだ。常治(北村一輝)の体調が悪く、もう長くないことがわかる。
マツ(富田靖子)、百合子(福田麻由子)とともに、喜美子も大きな衝撃を受けるが、しっかり支えようと誓う。常治を励まそうと家族みんなで絵付けした皿を作る。
そこに盛られたのは大野(マギー)、陽子(財前直見)、信作(林遣都)の心づくしのマツタケご飯だ。常治はまもなく亡くなるが、喜美子は気丈にふるまう。
葬儀が終わって直子(桜庭ななみ)が、見知らぬ男・鮫島(正門良規)を連れてようやく帰ってくるが、間に合わなかった理由は意外なものだった。そんな中、照子(大島優子)が頼んで、信楽にジョージ富士川(西川貴教)が現れる。
再会に驚く喜美子。
かわはら工房を訪れたジョージ富士川は自由なものづくりについて語り、喜美子と八郎に大きな影響を与える。
喜美子にも、自らの作品を作りたいという気持ちが芽生えるが…。
公式サイトより
第73話(12/23)あらすじと感想
昭和40(1965)年
喜美子は27歳。
やっと戸田恵梨香さんの実年齢(31歳)に近くなってきました。
喜美子、老けたなぁ!って思わなかった?
もちろん普通にキレイなんだけど、今までがちゃんと子供っぽく演じていたんだなぁと。ヘアメイクだけじゃなくて、表情とか仕草とかがちゃんと幼かったんだ。戸田恵梨香すごいなって思いました。これからの変化もますます楽しみ。
喜美子は食器作りの仕事で家計を支えているんですね。
八郎はまだ湯飲み茶わん一つ5万円とはいかないけれど、自分の作品作りに専念している模様。
かわはら工房に、二人の息子・武志(4歳)の作品コーナーもあるのが微笑ましい。
武志↓ 可愛い。
ただね、4歳くらいの子の作品はあのスペースだけじゃあっという間に埋まってしまう気がする。
普段から粘土触ってる感じだし。選りすぐったものだけ残してるのかなぁ。(子供の様々な作品の収納に困っている主婦の視点)
さて、照子は今や3姉妹の母になり、お腹には4人目がいるようです。男の子を産むまで頑張るのだとか。
跡取りを産まないといけない立場というのは本当に大変ですね…。
3人目も女の子だった時は周りもちょっと落胆したのだろうか、とか、いつも明るい照子だけど、人知れずプレッシャーを感じて悩んだりしているのだろうか、と心配になってしまいました。
そんな照子ですが、半月前、県立病院で常治を見かけていました。
性格上素通りできなかった照子は、常治が病気でもう長くないということを聞きます。
でも喜美子には絶対に言うなときつく口止めされ、今まで言えなかったのですが、ついにそのことを八郎に打ち明けました。
妊婦さんの腕をいまだに痣が残るくらい強く掴むなんて。よっぽどの剣幕だったんだろうね。それは照子もなかなか言えないよね。
そんな中、常治はマツと二人で加賀温泉に出かけて行きました。
最後にしたいことが妻との旅行って泣ける…
常治は病院で自分は一人暮らしで家族はいないと嘘をついていたようです。
八郎が担当医に会って全部聞いてきました。
悲しいことは聞きたくないと現実逃避する喜美子。
そんな喜美子に「喜美子がしっかりせんと」と言い聞かせる八郎なのでした。
いやしかしね、日に日に弱っていくお父ちゃんを見ていて、もっと危機感持たないものなのかな?喜美子もマツさんも。
病院に連れて行こうとはしていたけど、事態はもっと深刻。
でも常治が病気の深刻さを隠そうとしているから、家族としては気づきたくない、現実逃避の気持ちになるのかもしれない…。
マツさんも何も言わずに温泉旅行に行って。
こうした方がいいとわかっていることでも、いつも常治を尊重しているよね。
第74話(12/24)あらすじと感想
温泉から帰ってきた常治を病院へ連れて行こうとする喜美子でしたが、無理でした…
そんな中、窯業研究所では年末にあの「ジョージ富士川」を呼んで実演会をやってもらうことになりました。
八郎は美術商に自分の作品を見せていますが、
「本気じゃないのでは」と言われてしまいます。
新人賞を受賞したあの赤い色になんかこだわってるっぽいんだよね。
今度目指すべきは金賞。
頭ひとつ抜きんでると、川原八郎の名前でやりたいことができるようになるんですって。
八郎が信楽の陶芸関係者に受け入れられて、可愛がられているのは川原の人間になったからだと言う常治。
常治が信楽に根を張って人間関係を築いてきたからだと。
これは確かにね。酒飲みも無駄ではなかったのかもしれない…。飲みすぎだけど。
「喪主の挨拶でそれ言え」なんて冗談を言ってますが…。
常治の死のカウントダウンが始まって、もう常治ロス。
父親としてはあんまり尊敬できないけど、愛情深いお父ちゃんだった。そして何よりイケメンだった…。
そんな常治の前で夫婦喧嘩を始める喜美子と八郎。
あの初々しかった二人(八郎は手馴れてる感もあったけど)にも、こんな隙間風が吹くようになりました…。
問屋さんからの60個の注文を八郎が勝手に断ったとか断ってないとか。
八郎は喜美子が忙しくてできないと思ったけど、断ってはいないと言ってます。
常治は何か言うかと思ったけど、何も言わずに出て行ってしまいましたね。
直子は忙しくて帰ってこられないみたいです。
秋になってますます深刻になる常治の容態。
もう食事も受け付けなくなっていましたが、父に美味しいご飯をたくさん食べてほしいと願いを込めて、器を作ることを思いついた喜美子。
八郎も同じことを考えていたようです。
素焼きした大皿がありました。
これにみんなで少しずつ絵付けすることに。
あぁ、悲しい。
お父ちゃんはなんだかいつまでも元気で、いつも憎まれ口をききながらお酒飲んでると思ってました。
第75話(12/25)あらすじと感想
信作の父、忠信(マギー)は、その昔、戦地で常治に助けてもらったんですよね。
その縁で川原家は信楽にやってきました。
戦地で「何が食べたいか」という話になった時、忠信は常治に松茸ご飯をごちそうすると約束したらしいのですが、きのこ全般が苦手だからいまだに実現してないんだそうです。
信楽では松茸がたくさん採れるんですね。
せっかく松茸取り放題の地にいるのにきのこ嫌いなんてもったいないと思ったけど、私も北海道に住んでいながら魚介類が苦手。もったいないよね。
約束を果たせなかったと肩を落とす父を見て、もう夜だけど今から松茸を採りに行くと言う信作。
俺、かっこいいな!
自画自賛も忘れないw
でも確かにかっこいいよ!
早朝、川原家に松茸ご飯の材料を持ってやってきた大野一家。
美味しそうな松茸ご飯が炊きあがりました。
毒入ってんちゃうかと、病床でも冗談を言っている常治。
でも明らかに衰弱してます。冗談の一つ一つが悲しい。
見た目は病人っぽくないんだけど、今にも死にそうに見える。演技力か?
常治が心配しているのは、一人残されるマツさんのこと。
「うちがいるから大丈夫」だと言ってくれた陽子さん(財前直見)が頼もしかったですね。
陽子さんがいれば大丈夫って気がします。
みんなで作った大皿。
常治は愛おしそうになでながら「ええ皿や…」って。
手の震え方がリアルでした。
こういうの作るちゅうのは、心を伝えるということやな。よう伝わった。みんなの心がよう伝わった…。
芸術なんて何の腹の足しにもならんと常日頃言っていたお父ちゃんだったけど。
ずっと貧乏だったから現実を生きるのに精いっぱいで、器を見て心が動くとか考える余裕もなかったんだろうね。
常治がマツさん以外に気がかりなことはやっぱり娘たちのこと。
夫婦喧嘩していた喜美子と八郎には「仲良くするように」と言ってました。
お父ちゃんとお母ちゃんは一度もケンカしたことないんだって。
確かに。でもそれはいつもマツさんが合わせてくれてたからだと思うけど。
「直子と百合子もええ人と出会えたらいいな」と言うお父ちゃん。
心配だよね。本当は見届けたいよね。親の気持ちになったらここが一番悲しかったです。
百合子は自分は結婚しないと言ってますが。なんでかな。
疲れたと言ってみんなを追い出した常治は、最後に喜美子を呼び寄せ、頭をなで、
「ほな、またな」
そのまま、目覚めることなく逝ってしまいました。
冗談を言ったりして、元気な姿の自分をみんなに残したかったのであろう常治。
最期に死にゆく姿を見せたのは喜美子でした。
喜美子が結婚する時、常治は「まだ『お父たん、お父たん』言うてる3歳なのに」と駄々をこねていたけど、喜美子の頭をなでるシーンはそんな3歳の喜美子が頭に浮かんできました。
「ほな、またな」
長い別れの挨拶。
喜美子が荒木荘にいた頃、大阪に来た常治が喜美子に呼び止められて満面の笑顔で走ってきた姿とか、琵琶湖のほとりを元気いっぱい走っていた姿とかがよみがえり、涙😭
第76話(12/26)あらすじと感想
常治の葬儀では、八郎が喪主を務めたようです。
草間さんは来なかったのかな。葬儀のシーンは描かれていなかったのでわかりませんでしたが。
八郎は常治との約束通り、「今の僕があるのはお義父さんのおかげです」とちゃんと言ったようです。義理堅い。
常治に「仲良うせい」と言われた話から、最近の二人のすれ違いについて話すことになったのですが、そもそもが「最近に始まった話」ではないのです。
喜美子が言うには武志が生まれてからだと。4年ですよ。
世の中の大概の男はアホ
とは、常治の言葉。
八郎は喜美子が何に腹を立てているのかすらわかっていないのです。
さくっと解決してこの話を終わらせたいと思う八郎ですが、ここで喜美子も名言を。
こういう話に終わりはない
ほんとそう。
何に腹を立てているのかすらわかっていない時点で解決するのは無理なのに、話を終わらせようとしているところがまた腹立たしいんですよね。
でも喜美子も何でも自分でやろうとしなくてもいいのに。
忙しい喜美子がパパパッと畳んだ洗濯物を、八郎は取り出してきれいに畳みなおすのだそうです。
それは確かにイラっとするかもしれない。
だったら最初から八郎にやってもらえばいいのにね。
八郎は頼んだらあからさまに嫌な顔をしたり、舌打ちしたりしないでしょうに。
今の時点では喜美子の方が仕事量が多いようなので、時間に余裕のある方がやればいいいと思うのは現代の感覚なのかなぁ。
結局喜美子は働くのが好きで、仕事がしたいんです。
でも時代的に「家事育児は母親がやるもの」という風潮だから、あれもこれも自分でやろうとして空回っているのかな。
で、解決はしてないんだけど、二人が仲直りのキスをしようとしたところで、武志がお花を持って入ってきました。
両親を見て、さささっとお花を置いて、目隠ししながら、でも顔は二人に向けながら、去って行きました。可愛かったw
喜美子の笑い声も素っぽくて可笑しかった。
さて、喜美子が自作の「まるまる太郎」の絵本を武志に呼んでやっていると、直子が帰ってきました。
鮫島(正門良規)という男を連れて。
内々の話なので外に出される鮫島。しかし外は雪。
常治は生前、直子に2回ほど電話していたようです。
1回目は夏の終わり。加賀温泉からかけたらしい。「帰ってこなくていい」と。
2回目は秋口。やっぱり「帰ってくるな」と。
最後まで強いお父ちゃんの姿を直子の心に残したかった、お父ちゃんの意地と誇りだと言う直子に、それでも普通は帰ってくるだろうと喜美子はちょっと怒るのですが、直子の言い分にまた涙が。
会いたい思たに決まってるやん!
でもいつもお父ちゃんに逆らってきた直子。
「最後くらい言うこときいてやろうと思ったんや…」泣ける。
真冬なのに半ズボン姿の武志が可愛いな。
堪忍な…と謝る喜美子。
第77話(12/27)あらすじと感想
直子は鮫島と二人で熨斗谷電機を辞め、大阪で何かを売ったりするような商売を始めると言ってます。
寒い中外で待たされても怒ることもなく、体を温めるために走り回って「心は夏」と言う男。なかなか大物かもしれません。
商売で「一発当てて楽さしたるからな」と言う直子ですが、常治も同じことを言っていたらしいです。
似た者同士だからあんなに反発していたんですかね。
直子はこれからの人生、思うようにやらせてもらう所存。
お父ちゃんが亡くなったことは悲しいけど、自由を手に入れた。そういう気分らしい。
その感覚が理解できない喜美子。
そして日曜日。
ジョージ富士川の実演会の日ですが、武志が熱を出してしまいました。
マツさんが見てくれると言ったけど、喜美子は行かなかった様子。
その頃、百合子は信作と待ち合わせて彼女のフリをするお仕事。
女性と別れるために。
カバンで2回もぶたれる信作。
「2発目いる?今の?!」で笑った。
信作は来るもの拒まずなんですね。女の子が苦手だと言っているけど、百合子に「人間全般苦手やろ」と鋭いところを突っ込まれていました。
1ミリもドキドキしない相手と付き合うな、と至極まっとうな助言もw
常治が亡くなり、泣いている百合子を抱きとめた時は3ミリくらいドキドキしたと言う信作ですが、百合子はスルーしてましたねw
さて。ジョージ富士川の実演会に行けなかった喜美子ですが、八郎が思い切ってジョージ富士川に話しかけ、お願いしてみたところ、なんと川原家に来てくれたようです。
9年ぶりの再会ですね。
性別不詳な感じで。
第78話(12/28)あらすじと感想
喜美子のための特別実演会に来てくれたジョージ富士川。
彼は「自由」を追究しているのですね。
昔から名言は「自由は不自由や~!」
自由に描いていいと言われて、何を描いたらいいかわからなくなった喜美子。
自由自由言われる方が不自由。←深い
でも不自由の先にまた自由がある。←深い
自由って何や!←解明中
絵の具を全身に浴び、やりたい放題のジョージ富士川。
照子のお手伝いさんが子供たちの服が汚れるのを気にしていたのが面白かった。
外で大きなキャンバスに自由に絵を描くのは楽しそうでしたね~。
ジョージ富士川と出会った日から猛然と作品作りを始めた八郎。
めっちゃ刺激になりそうだもんな。
その結果、八郎は陶芸展でついに金賞を受賞。ド派手な壺で。
この壺をどこに飾るかで役所、窯業研究所、敏春、美術商でもめてましたw
なので結局工房に置いておくことに。
八郎に「自分の作品を作りぃ」と言われた喜美子。
作品に向き合いながら、父を思い出して号泣。お父ちゃんが死んで悲しいというのももちろんだけど、直子の言う「自由」に気づいてしまって、複雑な気持ちもあるのかな。
とにかく、やっと泣くことができました。
そして完成した、喜美子初めての陶芸作品。
小さな「まるまる太郎」がたくさん集結したような、力強さを感じさせる作品です。